2007年05月02日

先の見えるボクシングと見えないボクシング

 4月30日にボクシングを4試合見た。

どちらもTV観戦ではあったが、見る価値と言うのかなぁ・・・見といてよかったって気持ちと、どっちでも良かったなぁって気持ちが交差した。

夕方からは、亀田大毅のデビュー10戦目のノンタイトル戦が、全国行脚みたいな感じで静岡であった。

相手はフィリピンのランカーで戦績も勝ったり負けたりの選手。

初回から大毅は相手を呑んでかかっており、表情は笑っていた。

前回のタフミル戦で取って来た世界ランクが10位・・・一応、世界に挑戦出来る位置に来たわけだ。

つまりこれからは世界前哨戦と言うことになるが、果たしてコレがそれほどのレベルだったかと言えば、そうじゃない。

前哨戦と言うより、調整試合といった方がエェんちゃうやろうか?

 試合は大方の予想通り、2Rに3回のダウンを奪った亀田家の次男坊がアッサリTKO勝ち。

面白くもなんともない試合やった。

今月には兄貴の世界前哨戦が大阪であるらしいが、まぁコレも見なくてもエェような試合でしょう。

実際、こんなん繰り返しても面白くない気がするんやけど、あの客の入りを見てたら、興行としてはアリなんかなぁって気がする。

亀田三兄弟は、ものすごくトレーニングを積んでるし、誰も弱いとは言ってない。

まぁ、次男は今日のボクシングを見る限り、世界を取るには相当相手を選ばないとキツイ気はするが・・・練習で出すパンチと試合で出すパンチは違うのだ。

厳しくされてるようで、実は対戦相手選びは非常にデリケートに行われてるような気がしてならない。

確かに金の卵なんやし、ドル箱選手なんやから、大事に育てていく気持ちはわかるけど、もうちょっと厳しい相手とも戦っておくべきではないやろうか?

対戦相手に過保護になっては、大試合で何かがあると途端に止まってしまうんちゃう。

兄貴の世界初挑戦のときのようにね。

ただ、アレを経験した兄貴は強くなったでしょう。

ボクシングとはそんなスポーツやと思うんやけどね。

WOWOWエキサイトマッチを録画していたので見たら、そんな気持ちになった。

久しぶりにボクシングの怖さ、楽しさを実感させてくれた。

その男は松田直樹・・・横浜FマリノスのDFではない。

日本Sバンタム級8位で30歳。

36戦26勝の中堅ボクサーだ。

試合数が多いということは、よく負けたってことでしょう。

下位ランカーではあるものの、俺も初めて名前を聞いたくらいの選手やしね。

彼がやってくれました。

場所は、メキシコのカンクン・・・ウルティモ・ドラゴンの“カンクン・トルネード”がココで編み出されたかどうかはしらないが、メキシコ一のリゾート地である。

対戦相手はカンクン出身の前世界フェザー級チャンピオン、ルディ・ロペス。

去年、日本の越本隆志を7回KOでタイトルを奪い、初防衛戦で韓国の前王者の池 仁珍に負けた再起戦だった。

カンペキなアウェーでの試合である。

しかも相手は前チャンピオンで23歳と若く、チーム・バレラの一員らしくて、セコンドにスーパースターのマルコ・アントニオ・バレラが付いている。

わからない人に簡単に説明すると、亀田の長男の試合に辰吉がセコンドに付いてて、そこに戦いに来た無名の外人ボクサーが松田やと思ってもらえればイイと思う。

いや、メキシコ人からすると、そんな程度やなかったかもしれないが・・・まさに松田を見ている人など誰もいなかったくらいやないかと思う。

初回のゴングが鳴り、両者の攻防が静かに進んでいくが、一瞬というのか、ロペスの右アッパーのダブルで松田がダウンしてしまう。

バランスを崩した感じのダウンでダメージはそんなに酷くなさそうではあったが、敵地での初回からのダウン・・・相手を勢いづかせるにはかなりのものやったと思う。

続く2回、松田はダメージの回復を図りながら手を出し続け、相手の攻撃を捌いていく。

3ラウンドまでは、普通にロペスが攻勢に出て、このまま普通に再起を飾るんやろうなぁと思ってみていたが、ボクシングはこんなことがあるから面白い。

4ラウンド目に松田が前世界チャンピオンからダウンを奪ったのだ。

左を大きく伸ばして右を見えなくして、相手を突き放しざまの右ストレート一閃・・・ロペスはキャンバスに沈んだ。

解説の浜田剛史さんは興奮していつも以上に活舌が悪くなった。

「いつもあのパンチを練習してたんですが、日本での試合では出たことないですね。」

褒めてないよ、それは・・・。

ロペスはカウント8で立ち上がり、そしてラウンドは終了。

続く5回、ロペスはダメージの回復を図るために出てこないかとも思われたが、前王者の意地か、地元のヒーローがこんなかませ犬に負けるわけにはいかないと思ったのか、果敢に前に出て攻撃してきた。

そこへ・・・ロペスの右に合わせるように松田の左ショートフックがロペスのアゴの先端にクリーンヒット・・・そのままキャンバスに大の字に倒れたときに、レフリーのジェイ・ネイディはカウントを数えることもなく試合をストップした。

見事なKOシーンだった。

松田は鈴木トレーナーと抱き合って喜んだ。

俺は場面の前で焼酎を一気飲みした。

名もないベテランボクサーがとてつもない仕事をやってのけたわけだ。

日本人は敵地で弱いとされている。

現に敵地でタイトルを取ってきたのも過去数人・・・防衛したのはもっと少ない。

それが、いきなり前王者で現世界3位の選手をKOで下してきたわけだ。

この勝利はタダの勝利ではない。

コレで松田は世界ランカーになったわけだ。

もしかしたら世界に挑戦出来るかもしれないし、取りやすい世界ランクとして、日本の同じ階級の選手から狙われるかもしれない。

ただ、どっちにしてもファイトマネーは上がるやろうし、日本チャンピオンくらいにはなれるかもしれない。

久しぶりのしびれる番狂わせで、ホンマにエェもん見せてもろうたって感じ・・・松田直樹の次の試合に注目してみたいもんだ。

急に注目されて、地元であがって力を出せないか・・・それとも自信をつけて今までとは違う強者となるか・・・ボクシングファンなら見ていたいはずである。

正直、亀田の試合より面白いんちゃうかなぁ・・・?

 その後の試合はプエルトリコの英雄になってしまったミゲール・コットの初防衛戦で、相手はトルコのオクタイ・ウルカルの4度目の世界挑戦。

コンスタンチン・チューにも善戦し、ビビアン・ハリスに2度挑戦してもタイトルに届かなかったウルカルだが、タフさと技巧はあっても、次代のスーパースター、コットの敵ではなかった。

コットの次の相手は6月9日のザブ・ジュダー戦・・・コレは楽しみである。

しかし、ウルカルくらいの選手でもタイトルに届かないんやから、ウエルター級あたりはホンマに厳しいんやな。

日本人でこのクラスで世界にいけるには、相当の実力と運が必要ってことやろうな。

 さて今週はあと2回ビッグマッチがあります。

明日、5月3日は憲法記念日ですが、兵庫の生んだスーパースター、長谷川穂積のWBCバンタム級4度目の防衛戦と、全勝全KOのエドウィン・バレロに本望信人が挑戦するWBAスーパーフェザー級と、名城信男のWBAスーパーフライ級2度目の防衛戦があります。

トリプル世界戦なんて日本ではなかなかないことですよ。

視聴率50%くらい行ってもエェくらいです。

見なきゃアホですよ。

ちなみに俺は名城は苦しむやろうけど、あとの2人は防衛すると見てますが、名城頑張れと応援したいですね。

 しかしまぁ、ビッグマッチと日本国内で言うてても、世界ではそれほどまだ注目されてはいないわけです。

世界ではこの試合のことしか頭にないんですよ。

現地では5月5日、日本では6日の午前10時半から衛星生中継で行われる世紀のビッグマッチ。

WBCスーパーウエルター級タイトルマッチ。

チャンピオンは言わずと知れた6階級制覇の伝説の男“ゴールデンボーイ”オスカー・デ・ラ・ホーヤ。

挑戦者は無敗の4階級制覇のスピードスター、“プリティーボーイ”フロイド・メイウェザー。

これは見ないとダメになるでしょう。

色々確執があるんですよ。

最近までデ・ラ・ホーヤについてたトレーナーのロジャー・メイウェザーはフロイド・メイウェザーの親父で、今回は息子のサポートをするとか、変わりにデ・ラ・ホーヤに付いたフレディ・ローチはパッキャオについてる、これまた敏腕トレーナーやとか。

デ・ラ・ホーヤがキャンプしている、プエルトリコのジムがウィルフレド・ゴメスのジムやなぁと感激してたら、スパーリング・パートナーに世界チャンピオンの“シュガー”シェーン・モズリーが来たとか、とにかくここ数年で1番のビッグマッチになることは間違いないわけですよ。

勝ち負けもそうやけど、この試合が行われることが楽しみな俺です。

見ずに死ねるかと言いたいぐらいです。

そやけど、いつかは日本人選手がこういう試合に挑めればとも心では思ってるんやけどね。
posted by マグナム北斗 at 11:46| 大阪 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | エッセイ「リング下の風景」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 いつも読んでる、いくつかのボクシングサイトやメルマガにはこのロペスと松田の試合は「結果」程度しか載ってませんでした。どこも,今はCinco De Mayoの De La Hoya vs Mayweatherの事ばっかりです・・・ラテンチャンネルも当然、ルチャの試合のCMもこの試合の事ばかり。凄い盛り上がりようですよ。ウチの近所のメキシカン・レストランでは、もう「お祭り準備」です。
今日はケーブル会社からPPVの事前申し込みの勧誘?の電話までありました・・・。その日までには入稿も終り、初めて久しぶりにゆっくり休めるので、私も何があっても観戦しますよ。
楽しみですよねぇ〜!!
Posted by 山葵娘 at 2007年05月02日 15:51
>山葵娘さん

 そうりゃそうでしょう。
チカニトか黒人かって言うことよりも、現在考えられる、最高のマッチメイクなんやから、注目されて当然です。
どっちが勝つかと言うより、この試合を観ることに意義があると俺は考えてます。
ワクワクしっぱなしですよ。
Posted by マグやん at 2007年05月02日 16:24
こんな動画見て盛り上がってまぁ〜す!

http://www.youtube.com/watch?v=OkdFqAXz6ws
Posted by 山葵娘 at 2007年05月02日 17:05
>山葵娘さん

 番宣の格好良さとかでは、どうやっても日本はアメリカに勝てませんな。
盛り上がって当然ですよ。
震えました。
Posted by マグやん at 2007年05月02日 17:58
3日のトリプル世界戦はホンマに楽しみですね。本望は目が切れやすいらしいとか。負傷判定みたいな結果だけは勘弁!
Posted by パックマン at 2007年05月02日 23:34
>パックマンさん

 負傷判定になる前に、あっさり倒されるんちゃいますか。
バレロなんて、交通事故がなかったら、そう日本で試合してくれる選手やないでしょう。
パッキャオとやるまでは、無敗で行って欲しいですね。
Posted by マグやん at 2007年05月03日 07:15
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