2009年07月09日

その時突然訪れた

 それは突然の出来事だった。

漫才を始めて6年で相方には逃げられ、その後ピン芸人ていうのかボチボチ色んなことをやり始めたものの、何をやってもジリ貧で最悪の状態が数年続いた頃だった。

住む部屋すら無くなっていた俺は、高円寺の友達の飲み屋をねぐらにしていた。

今のネットカフェ難民やら派遣村の住人を笑うことは出来ない・・・俺も昔はルンペン暮らしだったのだ。

ただ風呂には銭湯に行ってたし、どういうわけか飯は食っていたし、時には女もいた。

当時世話になってた事務所には毎日顔を出してたし、道でモノを拾うような状態にまでならなかったのは、全て周りの人間のおかげだったのは間違いない。

色んな人に世話になったよ。

実際、不義理しまくりやけどね。

 そんな生活が数ヶ月続いたある日の朝、それは全く予兆すらなく突然やってきたのだった。

フリーズした。

顔の左半分が全く動かなくなってしまった。

病院に行ったら病名は顔面麻痺・・・そのままのネーミングだが、原因は全くわからずとにかく安静にするしかないので即入院。

よぉ考えたらベッドに寝るのは久しぶりやなぁなんて思いながら、他は全くなんともないのに入院生活をするハメになってしまったのだが、そのときはまだこのことが人生に深く残ることになるとは思わなかったんやけどね。

年末まで安静にするために入院したけど、全く良くはならず、年が明けて転院してからまた入院、手術・・・そしてリハビリ・・・。

医者に言われたのは100%は元に戻らないってこと。

その時から鏡を見るのが嫌になった。

 退院してスグにライブだったけど、そのときの出来は最悪だった。

出来不出来って問題じゃなく、舞台に上がれるような状態ではなかった。

人前に出せる顔ではなかったと言った方が正しいでしょう。

発病したときより少しは動くとはいえ、左半分はほとんど自由にならず、それが気になって何をしたのか、何をしゃべったのかもわからないくらい頭が真っ白だった。

これでもう俺は終わったなと思った・・・もう10年以上前の話だ。

何もしたくない・・・自暴自棄とはこういう時になるんやろうな。

ひとつ間違ったら俺も世間を騒がすような人間になってたかもしれない。

いや、それはないな。

確かに死ぬほど落ち込んで何もしたくなくて、このまま消えてなくなりたいなんて思った瞬間はあったと思う。

ただどっかで、そのうちよぉなってなんとかなるってタカを括ってる部分もあったんちゃうかな。

ただしばらくはホンマに何にもしたくなくなったのは事実。

誰も知らないところに行きたくなってジプシーのように旅に出た。

このときの俺は死んだも同然だった。
posted by マグナム北斗 at 17:34| 大阪 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | マグナム道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんな辛いことを書くのは、キツイでしょう。
読んでるのも厳しいです…。(涙
ここまで書いたなら、きっと回復状況ときっかけも書いてくださいね。
Posted by Rinn at 2009年07月09日 18:49
「不幸はいっぺんに続けてやって来る」と誰かが(青木雄二さんやったかな…?)言ってましたが、こんな時に限ってというタイミングで、悪いことが起こるんですよね。まして原因不明の難病まで患えば、凹むなという方が無理な話です。現実を受け入れることができるまでは、どんなアドバイスも生かすことはできませんしね。結局、時間が解決してくれるまで待つしかないのかなと、僕は諦め気味にそう思ってます。
旅ですか……僕もしましたね。もともと旅行が趣味みたいなもんなんですが、人生に不満を感じて、あてもなく旅をしたことがあります。「山びこ打線」の池田高校で知られる四国の山間の農村で、棚田を眺めながら、「この地の農家の人達の苦労はいかばかりか」と思いました。田んぼの近くまで車は入れない。その田んぼを手入れするのに、恐らく機械もほとんど使えない。そんな状況で農業を営むのは、ほとんどがお年寄り。そんな光景を目の当たりにして考えたものでした。「己の境遇を呪うなんて馬鹿げてるな」と。その時から数年経った今、「不満があるというのは、恵まれているということなのか」と思っています。もちろん、満足ばかりしててもアカンのですが…
Posted by 流浪の犯罪者 at 2009年07月09日 19:43
>Rinnさん

 それほどキツくないですよ。

キツくなくなったから書いてるんですわ。

昔を思い出したくなっただけですよ。

>流浪の犯罪者さん

 苦しいときの解決の仕方は人ぞれぞれでね。

こればっかりは自分で消化するしかないと思いますわ。

別に俺はこうやって元気になったなんてことを声高に言いたいわけじゃないので、コレを読んで余計凹む人もいるかもしれませんが、それは俺の与り知らぬことと思ってます。

無責任に書き殴ってるだけのことです。

アテのない旅ってたまにしたくなりますね。

アテがないってことが楽しく思えてしまいます。
Posted by マグやん at 2009年07月10日 08:47
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