2013年05月09日

運び屋マグちゃん

 俺はあのとき仕事をしていた。

休も明け、なんやかんやとやることはあってもなかなか進まず、とりあえず1件のアポを獲り営業トークを真剣にしている最中、1本の電話が入った。

カンパニー松尾からだった。

大体、昔のAV関係者からの電話は、大阪ロケの相談とか貸してくれる店を探してくれなんてのがほとんどで、それ以外なら大阪の風俗嬢を東京に連れてきてくれなんてのもある。

まぁ大概がそれほどやいこしい話はないものなのだ。

俺は普通に電話に出た。

すると今日の電話は今までの感じではなさそうだった。

非常に無茶なお願いだと言う。

これは長くなりそうな気がしたので、話が終わる3時頃にこちらから電話すると伝え一度切った。

お願いってなんやろう?

ロケでもなさそうやしなんかいなと思って改めて電話すると、松尾のお願いはこういう話だった。

なんでも80年代後半からAV界に問題作を出し続けたV&Rプランニングの人気シリーズ、「ジーザス栗と栗鼠スーパースター」を14年ぶりに安達かおる監督が、今もう撮影に入ってると言う。

そこでどうしても必要な小道具を、ADが手違いで翌日の朝到着で発送させたらしい。

監督は激高してADを怒鳴り散らしてとにかく今日中になんとかしろってなったらしい。

東京で同じものがどうしても見つからず、大阪まで取りに行けって話にまでなったようだが、それじゃ時間的に間に合わないかもしれない・・・そこで誰か大阪から運んでくれる奴はおらんかってことになり、無理と無茶を承知で電話したのが俺だったってわけ。

正直言うとね。

俺、現役のときもV&Rの本社制作のんは1本も出たことないし、義理もなんもないから断ることも出来たし、もう男優やってないから恩を売る必要もなかったんよ。

でも二つ返事で行ったるって言うてましたわ。

理由はと聞かれたらオモロそうやからと答えるね。

なんか物凄いくだらないでしょ。

エロビデオの撮影に必要やからって新幹線で小道具・・・ホンマのこと言うとバイブですよ。

それも尻の穴を拡張するバイブってやつを、新幹線に乗って運ぶ・・・そのためだけに50になった男が動くってところが妙に俺の芯にハマッてね。

乗ってしまいました。

その電話を受けたのが夕方の4時頃。

それから新大阪まで行けたら簡単な話やったんやけど、まずはブツを引き取りに戻って来た集配センターまで行かなきゃならない。

それがどこやねんて聞いたら四条畷って、エライ遠いがな・・・片町線なんて徳庵に住むツレのとこから帰るのに1回乗っただけやで。

それも四条畷はだいぶ先の方・・・一瞬心が折れかけたわ。

それでも1回引き受けたからには行かなしゃあない。

着替えもせずに着の身着のままで事務所を飛び出し、地下鉄の日本橋から堺筋線で南森町で降り、歩いてJR東西線の大阪天満宮から忍ヶ丘まで・・・そこから地図を頼りに歩きで集配センターを探したんやけど、これがまたなかなか見つからない。

相当探して漸く目的地に到達。

代引きやから商品代金立替といてなんて言われたけど、バイブなんて大したことないって思ってたら2万くらいしてビックリしたわ。

集配センターの人には「これから東京まで大変ですねぇ・・・そんなに珍しいパソコン部品なんですか?」とか聞かれて、伝票見たらパソコン部品と書いてある。

「いや、中身はア○ル拡張バイブです・・・」とも言われへんから、「なんでしょうねぇ?俺は頼まれただけなんで知らないんです」くらいしか言い様ないがな。

ちゃっちゃと現物を受け取って早足で駅に向かいましたわ。

時間帯がちょうどガキが遊んでる時で、道々ガキだらけでの中「こんなとこで箱が破れて中身が出てきたら変態扱いされて交番に連れて行かれるんちゃうか?」とか考えながらね。

忍ヶ丘駅から逆向きの電車に乗り、住道で快速に乗り換えて京橋で降り、環状線で大阪に行き、京都線で一駅行って新大阪までたどり着き、のぞみに乗れたのは7時前。

もし東京から取りに来てたら間に合わなかったやろうね。

のぞみではガッツリ飲んで寝て、品川からは山手線で渋谷へ・・・渋谷からはタクシーで目的地のスタジオまで・・・到着したのは10時過ぎやから約6時間掛けて50歳になった男がア○ル拡張バイブを無事届けたわけです。

ホンマに心からくだらない頼まれ事に応えたと思いますよ。

ただね。

人から見たらアホらしいことをマジでやることがオモロいんですよ。

俺の育った頃のAV業界ってこんな感じやったんよ。

今より何倍もくだらないことを真剣にやってた気がするわ。

なんかね・・・それを思い出して楽しくなって来てました。

現場はちょうど飯の休憩中で、俺にとんでもない無茶振りをしたカンパニー松尾だけじゃなく、カメラにはバクシーシ山下、なぜか音声やってたのは20数年ぶりに会った懐かしの並木 翔、大阪の露出の現場以来の花岡ジッタにニコ生を流しに来てた三代目葵マリー・・・他にも数人の顔見知りのスタッフがいて、昭和のAV現場と言うか、バブル期のAV現場って言うか・・・とにかく懐かしくもアホらしい空間でした。

なんでもかんでもまともとか規制だらけのつまらん世の中で、エェ大人がぎょうさん集まってアホなことをやることってそうそうないでしょ。

またやろうとする大人もおらんようになって来てるしね。

そんなところに突発的に顔出すなんてやっぱり楽しいもんなんよ。

荷物さえ届ければ俺の仕事は終わりなんで、時間の許す限り見てってと言われたけど、飯だけ食わしてもらってカラミが始まる前に帰りました。

別に人のカラミ見たってしゃあないしねぇ。

マリーちゃんには「せっかく大阪から来たんだから、伝説の男として出たら良いのに。」って言われたけど、今更オッサンのカラミ見たくないやろうから断りました。

これからまだまだせなアカンのに、俺がしたら後の男優可哀相やもんねぇ・・・スカスカになってまうからねぇ。

 後は1人で飲みにでも行こうかと思ったんやけど、急過ぎてツレもおらんし、ついでに他のことしたら何しに来たんかわからんようになるんで、酒買ってホテルを探し、他のことは何もせず朝起きたら速攻で大阪に帰って来ました。

主演の女の子とは口も聞かなかったし、誰なんかさっぱりわからんかってんけど、後で聞いたら『琥珀うた』ちゃんて言うそうです。

この作品は7月末頃に発売されるそうです。

俺の運んだバイブがどんな役割してるのか、興味のある方は見てください。

後、こんなん言いながらマグナム北斗も出てるんちゃうかと疑う方も見てください。

もしかしてメイキングとか特典映像でチラッと写ってる可能性もありますが、御神体マグナム砲は拝めませんので悪しからず。

あ〜楽しかった。

ボ・ガンボスの“あこがれの地へ”が無性に聞きたくなった。
posted by マグナム北斗 at 14:15| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | 不定期更新「マグヤン暴走日記」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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